英国では選挙が行われているのだが、それはEUからの離脱を決定するかどうかのものであることは間違いない。
英国民が何を思っているのかと感じ、昨日ニュースを見ているとある高齢者が「偉大なる英国復活」的な発言をしていたのが妙に気になった。
英国民が英国を好きだというのは理解するが、偉大?帝国主義の先鋒だった国が?と疑問を感じたので、自分はどうなのか考えてみることにした。
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日本が偉大とは思っていない。
ただ、少なくとも他国より秀でる部分があるだろうということ、秀でていた部分があったであろうことは間違いないと思っている。
しかし、それでいいのだろうか?というのがいつも思うことで、だからこそ危機を感じている。
私は昭和30年代に生まれたわけだが、おかげで高度経済成長真っただ中を見て感じることができた。
そして社会人二年目からはバブル経済を経験したおかげで、さまざまな経験をさせてもらった。
はっきり思うのは、両方とも二度とないということだろう。
あるとしたなら、一度日本経済が完全にぶっ壊れた後に起こるかもしれないことであり、その場合には今の日本の考え方や形が残っているか保証はない。
だからこそ「最低限現状維持」をするためにどうするか、「現状維持」とは何を指すのかを整理する必要がある。
「世界第三位(過去は二位)のGDPを堅持」なんてことは必要がない。
1.25憶人の国が、Chinaや人口が倍以上の国と張り合っても仕方がない。
むしろその大きくなった他国を通じて、日本経済をどうやって回していくのかということが重要であって、現状維持の中にGDPの順位は関係がない。
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一人あたりGDP/ドルベースなんてのは全くあてにならない。
参考数値としたって、為替によって変わるのであって、GDPの16%程度の輸出依存度でしかない日本が、ドルベースを気にすることはないというのが本当のところ。
他国とそれで比較するのだとしたら、他国からみて日本が「お得な国」だと思うかどうか程度で、なんでこの数値をやたらと気にする人がいるのかが理解できない。
むしろ民主党政権時の80円台の超円高は日本経済を破壊したように思ったはずだ。
80%以上が内需だというのに、マスコミは連日不況と騒ぎまくったではないか。
しかし、その時機を見ても災害の時期を除いて、GDPが目減りするようなことはなかったうえ、最悪のデフレーションの状況であったことを考えれば、経済成長はしていないが変わっていないという状況だった。
その後の自民・安倍政権ではアベノミクスということで経済建て直しをしているわけだが、残念ながらその目標はインフラ指標を主軸としたものであるからこそ成長が単にGDPを増やす方向にしか見えなかったこと、金融においてはマイナス金利などメリットがなかったこと、さらには金融庁検査の資産査定が銀行の貸し出しを渋る結果となっていることがあり、結果的に経済が思ったほど成長していない状況が続いているのはみんなが知っていること。
安倍政権を支持していないとはいわないが、支持する部分と支持しない部分があるわけで、経済政策は半分程度しか達成していないと思うのは上記のことがあるからで、憲法においては0点でしかない。
・・・と、それるのはそれくらいにしておこう。
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安倍政権の経済政策に文句をつける大多数のサヨクは、過去の高度経済成長のようなボーナスステージを夢見ているのか知らないが、できそうもないことばかりを述べる。
社会保障にしてもそうだが、出した金以上の補償を受けるということは、どこからか財源を持ってこなければならないはずなのだが、その財源がないから問題なのであって、その経験は民主党政権でわかったはずだというのに未だ時の政権に対して「自分が払った以上の補償をしろ」というのが間違い。
先進各国(といういい方は好きではないが)の中で中程度か少ない程度の社会保障への負担をしていないというのに、北欧のような補償を求めるなどありえないことだ。
北欧をよく引き合いに出す人がいるが、宗教によって幸福の考え方が違う人たちと同じ基準にはならないし、社会保障のために働いているといっていい状況でも「社会のために」とやっている国民と、現在の日本人では全く違う土壌にいる。
それは良い悪いのはなしではなく、これからの国家をどう考えるかということであって、日本国としてどうすべきなのかということを考える必要がある。
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その上で思うのは、日本の国力を削ぎ落すことなく、現状を維持することを目標として、他国と競わない考え方をするべきだと思っています。
特に日本以外のアジア各国の成長は当然なわけで、日本だけ経済成長が1%だとか騒ぐ必要はないのです。
東南アジアの成長が6%だと言ってみても、経済規模が違うわけですから比較する必要はないのです。
私が子供の頃はGNPという考え方があったわけですが、GNPを考えてみれば日本の経済圏は決して小さくない上、もっと言えばGDPにおいても未だ世界でも三番目の規模なのですから、なにも悲観することはないわけです。
むしろ当面人口が減っていくことを考えれば、現状を維持することで少なくとも一人あたりは下がるどころか上がることになります。
ただし、そこには条件が必要で、女性や高齢者も含めて北欧並みに労働をする人口を増やす必要があります。
「専業主婦が当たり前」なんていう高度経済成長期は夢の彼方へと去っていくわけです。
さらには子供を増やす努力をしなければなりません。
それにはこういう議論が必要だということで紹介いたします。