在宅勤務1年5か月(継続中)で感じたこと

在宅勤務がはじまって、まもなく1年5か月を迎えようとしています。

当初はここまで長く在宅勤務が続くなどとは思っていませんでしたが、私が仕事をしている外資系の会社では、特にIT部門関連は出社に及ばずという姿勢で、まだまだ在宅勤務が続きそうな勢いです。

では、この1年5か月でどうなったのかと考えてみることにします。

生産性は落ちたのかと言えば、個人的な部分では落ちていないと思いますし、むしろ集中して仕事を行うことができるため、生産性はあがりました。

出社しているときは、私の席をめがけて質問に来る方がいましたし、たまたま見かけて寄っていただく方もいらっしゃいました。

そういうことが全くなくなったため、当然ながら作業時間に集中することができますし、予定表に「Block」と書いておけば、余程の急ぎでない限り私をチャットで呼び出すことがないため、ここぞという頭を使う作業などに対しては、間違いなく効率的になったと考えられます。

それから会議の時間についてですがこちらはほぼ時間通りに終わるためあまり関係ないかと思ったらそうではありません。

出社しているときは、一番遠い会議室迄出向く際は10分近くかかることもありましたし、外部の人との打ち合わせとなると、その前の手続きなどで時間がかかることがありました。

しかし、チャットでの会議となると時間ぴったりにみんなが集合しますし、プロジェクターがあたたまるのを待つ必要もありませんし、画面の共有に失敗するようなミスもほとんどありません。

MS-TEAMSを使っているのですが、ネットミーティング系ツールではウインドウもしくは画面を選択することができ、そのミスが少ないため、いちいち会議室のリモコンを設定して、WebEXのセンターに電話して・・・などという煩雑な作業がないだけでも会議スタートがスムーズになりました。

あと良いところは、作業報告が○時から×時までの間で△時間という報告になったため、×-○が決して△ではなくなったということです。

これは何を示しているかと言えば、○~×の時間中に居眠りをした分を差し引いて、△時間と報告することが可能となったため、余計に効率的な働き方ができます。

私の場合、出社をしていても昼休みに仮眠をとっているような状態でしたから、30分ベッドで仮眠できるというのはとても幸せなことですし、リフレッシュ後の仕事のはかどることといったら、出社時の比ではありません。

机に突っ伏して寝るよりもはるかに良い姿勢で寝ているため、苦しさなどもなくリスタートができるのですから、在宅勤務とはなんと良いものなんだろうと感じます。

あとは通勤がなくなった、特に満員電車で30分揺られることがなくなったこと、これは最大のストレス解除なのかもしれません。

では、在宅勤務がすべてまるっといいのかと言えば、私はそうではありません。

人との付き合いの中からいろいろ見つけたり、会話したりと、日常になっていたものが根こそぎとられてしまったため、人と会わないことがストレスになってしまっています。

内向きなキャラクターの方は実は在宅が幸せと言っている部分はありますが、私は人と会う中でストレスを発散している部分もあるため、人と会わないことそのものがストレスとなってしまっています。

何気ない日常会話を仲間とすることも、私の中には必要なものなのだと感じています。

そのため、会議の終わりや、会議に早めに入ってきた人と雑談をするようにしています。

いま誰がプライベートの中でこのようなことをしているとか、家庭でこんなことがあったとか、本当に何気ない日常を話したり聞いたりすることによって、その想像をするだけで笑ったり、考えたりすることがとても楽しいと感じるのです。

しかし、それが数分のできごとでしかないため、やはりストレスがまるっと解消という感じにはなりません。

やはり人と会って話をしたいですね。

さて在宅での作業環境ですが、我が家は妻との二人暮らしで3LDKのため、部屋がひとつ余っているような状況でした。

ほぼ納戸状態で使っていた部屋を、在宅とは別にネットミーティング(妻のライフワークと、私のサッカー関連のため)などをする部屋として2020年1月に整備していました。

それがそのまま私の仕事部屋になったため、結果としてなんの問題もなく仕事ができています。

しかし、お子さんが小さい家庭などは、それこそ狭いサービスルームに小さな机を置いてミーティング参加をしていたり、わざわざミーティングの時間だけカラオケボックスや近くのレンタルルームなどに出向いて仕事をするような方々もいらっしゃるため、全員が在宅環境に納得できるようなことはないと感じます。

特に小さなお子さんがいる家庭では、ネットミーティング中に「パパ―!」などとお子さんの声が聞こえてきたりして、そこで大爆笑になってしまったりします。

それこそ本人は真っ青になっているかもしれませんが、私たちのような子育てが終わった人たちには、そこにある日常でほっこりする瞬間となるわけです。

ところがミーティング以外の作業をする際にも、リビングの机しか仕事をする場所がない方もいらっしゃると聞いているため、やはり在宅では環境を整えきれない方もいらっしゃる(世間的には給与が高い会社です)わけですから、これが世の中全体となるとやはり問題がある方々もいらっしゃるのではないかと思います。

在宅での作業ですが、契約先からはIT関係はまだまだ在宅が続くと言われていて、出社する必要がない人は「当面」出社しないで欲しいという通達がでています。

同じような仕事を日本企業としている友人は、ワクチン接種が終わったら全員出社となったと話をしていましたし、それ以前から出社している友人もいました。

日本企業は在宅勤務を嫌っているのではないかと思われることも聞こえてきますが、それは生産性や管理の問題点を考えた結果からなのかもしれないと感じます。

しかし、仕事の結果は明らかに出てくるのですから、サボっている人などは見わけがつけられると考えます。

かといってキーボードがどれほど動いたかとか、マウスがとか操作をいちいちチェックするような、そんなことは不要だと思っています。

その人物がどれだけの結果を残したのか、期待値に対してどれだけの成果を出したのかが重要であって、作業時間はそれほど重要ではないと実は「在宅勤務ではなくても」私はそう考えています。

武漢を発端とするCOVID-19がまだまだ収束しそうもない今、特に日本企業の「在宅勤務」という仕事の仕方について、考え方を変える必要があるように感じています。