選挙の結果を恐れて討論しない麻生副総理は討論から逃げるべきではない

巷では年金不足による2000万円をつくれってことで政権を悪者にしたいマスコミやらパヨクのみなさんがいらっしゃる。

一般の方でも不安をあおられるようなものなのであるが、じゃあその報告書とやらはそんなに問題のある者なのか読んでみた。


(別紙1) 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」

報道やアホな政治家が食いついているのがP.21の「2.基本的な視点及び考え方」の「(1)長寿化に伴い、資産寿命を延ばすことが必要」という部分。

前述のとおり、夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ 20~30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円~2,000 万円になる。この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。当然不足しない場合もありうるが、これまでより長く生きる以上、いずれにせよ今までより多くのお金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる。重要なことは、長寿化の進展も踏まえて、年齢別、男女別の平均余命などを参考にしたうえで、老後の生活において公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか、考えてみることである。それを考え始めた時期が現役期であれば、後で述べる長期・積立・分散投資による資産形成の検討を、リタイヤ期前後であれば、自身の就労状況の見込みや保有している金融資産や退職金などを踏まえて後の資産管理をどう行っていくかなど、生涯に亘る計画的な長期の資産形成・管理の重要性を認識することが重要である。

という部分が切り出しているものの正体。

肝心なのは「前述のとおり」ということ。

ということで目次を見てみる。

1.現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化) 3
 (1)人口動態等 ………………………………………………. 3
   ア.長寿化 ……………………………………………….. 3
   イ.単身世帯等の増加 ………………………………………. 4
   ウ.認知症の人の増加 ………………………………………. 6
 (2)収入・支出の状況 …………………………………………. 8
   ア.平均的収入・支出 ………………………………………. 8
   イ.就労状況 …………………………………………….. 10
   ウ.退職金給付の状況 ……………………………………… 13
  (3)金融資産の保有状況 ………………………………………. 15
  (4)金融環境に対する意識 …………………………………….. 18
2.基本的な視点及び考え方 …………………………………….. 21
  (1)長寿化に伴い、資産寿命を延ばすことが必要 …………………… 21

前述とは1.現状整理にかかっているわけで、ここに書かれていることはごくごく普通のことであり、2000万円に至る根拠もある。

P.16の金融主産の保有状況にも金融資産の取り崩しが必要とあるが、そこに書かれているのは過程として夫婦とも無職で収入で足りない部分、つまり年金以外の赤字部分を金融資産の取り崩しで賄わねばならないと書いてあるだけ。

実際の記述は以下。

(2)で述べた収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる。
 支出については、特別な支出(例えば老人ホームなどの介護費用や住宅リフォーム費用など)を含んでいないことに留意が必要である。さらに、仮に自らの金融資産を相続させたいということであれば、金融資産はさらに必要になってくる。(2)と合わせ、早い時期から生涯の老後のライフ・マネープランを検討し、老後の資産取崩しなどの具体的なシミュレーションを行っていくことが重要であるといえる。

ということで、夫婦無職で年金暮らしするならライフ・マネープランを考えておくべしということ。

そのうえで米国に比較した資産形成が書かれてあり、日本でもNISAやiDeCoがあるのでそういう資産形成も行いやすくなったよって書いてある。

まとめてみると、金融庁が書いているのは「老後に向けて資産形成してね。資産形成する準備はそこそこしたのでよろしく。」ってこと。

年金が足りない!なんてのはどこにも書いていない。

むしろ当たり前のことを書いていて、年金だけじゃ賄えないからきちんとお金のライフプランを準備しておいた方がいいよってことが書かれてあるだけのことなのだ。

なんで年金と直接関係のない金融庁が「年金が足りない」なんて報告したんだろうと思ったら、そんなことではなくて「ライフプランの金融資産形成に有利なものもできたし、考えてみてね。」ってことなんだというのがわかる。

そのうえで思うのは以下。

    麻生財務大臣はなぜこれを受け取らないなどと言ったのかが理解できない。きちんと討論に臨み以上のような論陣を張るべし。
    野党はことさら2000万円がたりないと申し述べているが、切り取っただけで資産形成についてどう考えるかを全く考えずに政府に対して文句を言っているだけ。これで勝てると思っているの?

こうしてきちんと文書を読んでみると、年金返せデモとやった人たちが、きちんと読みもしないでただただ騒いでいるっていうことがわかる。

だから現在の反政府主義者にはまったくシンパシーを感じないんだよ。