携帯電話で手軽にゲームができるようになり、ゲーム産業はその斜陽化が止められなくなったと捉えられているかもしれない。
電車の中であそこでもここでも、似たようなパズルゲームをやっている人が多く、さながら「パズ○○祭り」のようである。
携帯電話のゲームであれば開発コストも低く、利益率も高く見込めると思っているからこそゲーム会社も参入しているのであろうが、大ヒットとなる作品となれば、それは本当に一握りのものに過ぎないというのは誰でもわかること。
新コンテンツなどといってみても、結果としてどこかのゲームのパクリだったり、そのハードでは初であったりと実はあまり内容は進化していない。
今のパズルゲームもエンタテイメント性を高めてはいるが、テトリス以来中身そのものは変わっていないといっていいだろう。
あのテトリスも開発当初は個人であったとされるため、猫も杓子も一攫千金を狙ってアプリ開発を個人でやったりしているわけだが、そんなヒットはごくごくまれであり、とてもではないがラッキーが数十回重ならなければ無利である。
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じゃあゲーム産業は終わりなのか?といえば、私はそうではないと思っている。
据え置き型ゲーム機であっても、その専門性を生かしたゲームを作ることで、一定のヒットを飛ばすことは可能であるし、固定客に絞る戦術もあるといえる。
事実としてスクエア・エニックスは過去のタイトルにすがって利益を出している状態といっても過言ではなく、新作といえるもので目立ったものはない。
だが、それでも企業として成り立たせようと思うのであれば、必死で過去のタイトルを守り、存続させることでさらにその次の戦略を考える時間はできるようになる。
ただし、残念ながら過去のような大ヒットはよほど目線を変えない限り無理であろうし、同じようなおいしい思いは無理だと気がついてやらなければならないだろう。
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ゲームハードはといえば、PS4の異例ともいえるヒットが驚きなのであるが、私としてはPS3の時代からゲーム機だけではない使い方をしているため、ホームエンタテインメント機器として「ゲームもできるハード」という位置づけをもっと明確にしてはいかがかと思う。
今も映画をテレビで見るために使っているし、PS3とは関係はないが(というのも元々がオーディオマニアであったため)5.1ch、7.1chなどの視聴環境を「ゲーム機を中心に」据えることで、ハイレゾ音源再生機器などとしての使用も含め、メーカーAV機器関連商品への売り上げ期待も可能となる。
また過去のゲームを定額料金でできるなどというものもあるため、そうしたコンテンツも昔のゲーマーにとっては魅力的に映るかもしれない。
その意味において「ゲーム産業」といえるかどうかは別として、この手の会社が生き残ることは十分可能であり、魅力的な産業・・・となっているとは思う。