フリーランスを合計15年弱続けていた身としては、途中一年ほど契約社員になるとなった際に、あまりに無邪気な金額の決め方に発注元とかなりシビアな協議をしたことがあります。
実はいまの仕事も契約社員となったため、その時の教訓をもとに話し合いを持ちましたが、完全に解決にはならなかったものの、まあ理解できる範囲となったために仕事を受けることになりましたが、それでもその決定が入場前日になったことについては辟易しました。
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たとえばフリーランスとして契約する際、契約金額が100万円だったとしましょう。
100万円に外税で10万円の消費税となるため、110万円の入金があることになります。
他に仕事がなかったとして、年間で1200万円の契約金額分と、消費税の120万円の入金があることとなります。
ここで600万円の経費が必要となり、外税で60万円払ったとしたなら、税金の計算のスタートは600万円となり、極端な話で消費税は60万円(実際はもう少し低くなる金額ですが)納入することになります。
600万からもろもろの控除があって、例えば500万円に対して所得税がかかりますが、それ以外にも個人事業税を必要とします(住民税はサラリーマンでもありますのでここでは無視します)。
ところが契約社員として契約する際に、両方の会社とも100万円で契約をすると通達してきたのでここで問題が発生するのです。
100万円の場合、年間では1200万円の収入ということになりますが、税金が10万円ほど、年金と社会保険はそれぞれフリーランスよりはお高くなる可能性がありますが、厚生年金なら少しだけ後々年金に反映されるので無視をします。
つまりは口座に入ってくる金額は90万円(実際は年金や社会保険も引かれた金額)ということになり、単純に入金では20万円の差が生じます。
単純にと言っているのは、消費税が預り金のためなのですが、それを無視したとしても10万円の差が生じることになります。
さらには経費の考え方がなくなりますので、必要な経費を申告して税金を低くする(特に事業投資などでは重要です)ことができなくなるため、10万円以上の金額以上の所得に対する損が発生する感覚となります。
また期中にフリーランスから契約社員となった場合、翌年に借受消費税から支払消費税を引いた分の納入が必要となります。
さらに契約社員が終わった後の国民健康保険料は、間違いなく最高額となるため高額となるだけではなく、高額医療費の自己負担額も30万円弱となり、フリーランスで500万円の年収に対してかかる国民健康保険料も、住民税額もとんでもなくかかることとなります。
そのため契約社員を遠慮するフリーランスも多いのですが、今回の私は契約が決まったと聞いた際には受託となっていたため了承し、それ以外に進めていた話をすべてお断りをした一週間後に「契約社員で」となったため、非常に問題となったのです。
そのため金額を挙げてもらったわけですが、それが結構大変だったわけです。
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とまあ、フリーランスをするにあたっては、このあたりの税制も知らないとつらくなるわけですが、知らないとキャッシュフローの違いに驚くことになりますし、後々に契約社員からフリーランスに戻った際の保険料の高さに悩まされることなどもあるわけですから、勉強した方がいいと思われます。
私は専門学校で会計だけではなく、税法についても学びましたので、たまたまこのあたりが詳しかったので話をすることができましたが、どうぞフリーランスも皆さんはお気を付けください。