需要と供給

現在、コンピュータシステム関連の業界ではビッグプロジェクトといわれているのがいくつかある。

その中でも最も大きい部類のシステムで、人集めが難航しているのは聞こえてくる。
そして先日もそこからのオファーが届いたわけであるが、営業会社が違うとはいえ半年以上も集めていて、まだ足りない状況というのはどういうことなのだろうかと考えてみる。

私のところにくるのはPM、PMO、PLといったもので、主にマネジメントに関連する部分であるが、コンピュータシステムの場合仕様への理解が必要となる。
そのためシステムに対する理解がなければならないため、システムを良く知ったエンジニアもしくはコンサルタントが集められる。

数年前のビッグプロジェクトで赤いところが大失敗しているのは、費用を安くするために外国に発注したのが失敗のもととなり、それを引き取って日本でやったのだが単価が低すぎで優秀なエンジニアは寄り付かなかったことが原因。
私にもオファーがきたのであるが、固定単価で一見良いように見えるが、実態は毎日23時過ぎまでかかっての仕事で、時給にするとたいしたことがないのを内部にいた仲間から聞いていたので単価があがらなければ行きませんと営業には言った。
その時も複数度にわたりオファーがあったのだが、単価があがることがなかったのがたいへんに残念だった。
※そのプロジェクトは成功した、終了したとは残念ながらいえない状況が続いている

そして今回のビッグプロジェクトであるが、いつまでもデフレーションでエンジニア余りの時の単価でやろうとしているのかということだ。
しかも赤いところと一緒で、毎晩のように遅くまで残業が続くのが目に見えているプロジェクトで、赤いところよりも安い単価でやるなんてのは本気ですか?と思ってしまう。

営業会社には「単価が変わらない限り請けるつもりはありません」と言っているのだが、それでも他のところから届いたりする。

今はエンジニアやコンサルタントが足りないというのに、まともな仕事をしてほしいと思っているところが、いつまでも安い単価で人材を得ようとするのが間違っている。

まあもっともSIerにも責任があって、その安い単価で引き受ける会社があるから成り立っているのだろうが、残念ながら今は特に優秀なSEとプログラマが足りないため、人を集めるには現実としてお金が必要だ。

なのに、まるでリーマンショック後の落ちた時の単価並みで引き受けさせようとするなんて、人をなめるのも大概にしたほうがよい。

特に私達のようにフリーランスや零細企業でやっている者は、評価=お金という部分もあるし、サラリーマンよりも良いパフォーマンスを期待されるからこそそれなりの単価でやってきている。

実力がないと判断されれば、明日からでも斬られる覚悟で臨まなければならない。

そんな人たちが多いエンジニアやコンサルタントの世界に、いつまでも安い単価の頃のイメージでやっているのは間違いで、特に金融系なら需要供給曲線程度は知っているのだろうから、それが何を示しているのかをよく考えてみるべきだ。